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『笛吹き』 3

カカシ × ナルト


   二人の、里抜け話です。









「なに、ふざけたこと言ってるんだってばよ!そんな場合じゃないってのに・・・っ。」

一瞬、頭に血が上り、きっと目の前の男を睨み上げれば。
そこには、口布をずらし、真摯な表情をさらすカカシがいた。


「俺は、本気だよ・・・ナルト。」   
「・・・。」
「お前と初めて会った時から、願っていたんだ。
お前は覚えていないだろうけど・・・もっとずっと昔から。
小さかったお前を、この場所から連れ去りたかった。」
「・・・狐のお面の時から?・・・」

確かめた訳ではなかったが、間違いないだろう。
そしてそれは、嬉しそうな顔をした男によって肯定される。

「覚えていてくれたのか。」
「・・・さっき思い出した。 俺ってば、
ずっと、先生に助けてもらってばっか・・・。」

「いや、俺の方こそお前に救われてたよ。」
「俺、何にもしてないってばよ?」

「生きていてくれた。」


カカシの言葉に、思わず、息を呑む。

忌むべき存在としか、みなされてこなかった自分。
『九尾の器』として、その生を呪われる事しかなかった自分。

そんな自分を、カカシは言祝いでくれる。
『生きている』その事実だけで、救いになるのだと。


その言葉は、優しい音色となって、ナルトの奥深くに届いた。
もしかして、ずっと、自分を呼んでいたのはこの声なのではなかろうか。

それを信じられるほど、静かに、当たり前のように、心の中に響く音。


「・・・俺と一緒に行くのは嫌か?」
強い男の、初めて聞く不安げな声。
一緒に行こう・・・誘う甘い声。

「イヤ、なんかじゃないってば。」
迷う事無くうなずいていた。

「俺、カカシ先生と一緒に行く。
そんでもって、修行いっぱいして強くなるから。
追ってくる連中に負けないくらい強くなってみせるから。
だから、俺を一緒に連れて行って?」

蒼穹の瞳に強い光を乗せて、ナルトははっきりと言葉にする。



ナルトの夢は、火影になること。
<里を守るもの>になって、里中の人間に認められること。
『九尾の器』ではなくて、ただの忍『うずまきナルト』として受け入れてもらうこと。

でも・・・。たった一人。
自分の命を求めてくれる人がいれば、それでいい。
それで充分だ、と思えた。

その人は、里で一・二を争う実力を持ちながら。
地位も信頼も全て、自分の為に捨ててくれるというから。

自分も、全て置いていこう。
数少ない信頼できる大人、やっと出来た仲間達、・・・自分を支えていた『夢』。


もう二度と、会えなくなっても。
遠くで、想うだけになったとしても。

目の前の男が、ずっと一緒に、傍にいてくれる。
ならば構わない・・・ ナルトの心は決まっていた。




                            ~ NEXT ~





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2009年07月05日 | 『笛吹き』 | こめんと 0件 | とっぷ

こめんと

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