『天使の呪か悪魔の祝』-4

カカシ × ナルト 。


   笑い流して欲しい話。

   やっと、カカシさん登場の気配。
   そして、ナルト女体化の理由も・・・(汗)









「・・・は?」

綱手の言葉は確かにイルカの耳にも届いていたが、理解することを脳が拒否していた。
それは、言葉を発した綱手とて同じことである。痛む頭を抑えながら、溜息混じりに繰り返す。

「だーかーらー。ナルトは、もうじき妊娠2ヶ月だ。」

「・・・嘘、ですよね?」
「こんなことで嘘をついて、どうする。」
「しかし・・・ナルトは本来、男子ですよ?」
「言われんでも、解ってるっ!」

ありえない。何度聞いても、ありえない、とイルカの意識は事実を拒絶する。
実際、診察をした綱手の方が、現実を受け入れるのは早かった。

「起こっちまったことは、今更仕方がない。事実を受け入れるしかないだろ。」
「・・・そうは言われましても、何でこんな事に・・・」
「ナルトが『お色気の術』を使って変化している時に、コトに及んだ馬鹿がいるってこった。」

言葉は投げやりに返されているが、その音色は限りなく低い。
彼女にとって、ナルトは身内のように思う者である。
そんな大事な人間に手を出されて、綱手も平静でいられる訳がなかった。
一見、普段より多少機嫌が悪い程度にしか見えないが、
神経を集中させてみれば、そのチャクラからは殺気だったものが感じられた。

その事実に気が付いて、茫然自失状態だったイルカの意識も覚醒する。
・・・相手の男に、命はないかもしれない。

そして、多分。
彼女の心当たりは、自分が想像しているのと同じ人物のはずだった。

「火影様。相手の男をどうなさるおつもりですかっ。」
「ふっ、知れたことさ・・・」

ニヤリ。浮かぶ笑みはキケンなもので。
イルカの背中を、冷たいものが走り抜けた。

「早まらないでください!!彼は里にとって大事な忍です。」
「ってことは、イルカ。お前もヤツが相手だと思うんだな?」
「・・・残念ながら、こんな事態に陥りそうな人物を、他に思いつけません。」
「はっっ。あの馬鹿を、さっさと特Aランク任務に一人で放り出しとくんだったよ。
まぁ、今からでも遅くはないかねぇ。」

部屋の温度がさらに下がった気がするイルカは、慌てて話を逸らす。

「こ、この事実を、ナルトには・・・?」
「まだ言ってない。どうしたもんだろうなぁ。」

どうやって伝えたものか、綱手も頭が痛いところであった。
ナルトも、まさか自分が妊娠するなどと、思ってもいないだろう。

「今までの様子から言って、無理やりコトが起こったとは考えられません。
もしそんな事態になっていたのなら、どこか不自然な所が出たはずです。
同意の上でコトが発生したとすると、この事実をナルトに伝える方が先かと・・・」

イルカとて、相手の男に対する怒りはあるが、それよりも
彼を死に追いやることで、ナルトが傷つくことの方が問題だった。

ここ数週間の共同生活の中で、イルカにとってもまた、
ナルトは、本当の『家族』のような存在になっていたから、
出来得る限り、彼には笑顔の中にいて欲しいと願ってしまう気持ちの方が強かった。
それに、十中八九間違いがないと思っても、相手を確認しておかなくてはならない。

綱手は、ナルトをその場に呼び出すことにした。


               ***     ***     ***   


間がいいのか悪いのか、カカシ班が任務から戻ったのは、同じ日の事である。

彼にしてみれば、今回ありえない事態でナルトを任務から欠いて、気が気ではなかった。
もう元に戻ったのか、原因はなんだったのか。任務中では、ナルトの現状を知る術はない。
任務の間はそれでも仕事に集中できていたが、終わってしまうと気が急いて仕方がなく。
サイやサクラには申し訳なかったが、急ぎ足で里に戻ってきたのだった。

師匠である綱手の元へ挨拶に寄るというサクラと共に、カカシは火影室へと足を向ける。
本当は直接ナルトの所へ行きたかったけれど、火影への報告を済ませなくてはならない。


しかし。
火影室が近付くにつれて、何やら剣呑な気配がびしびしと伝わってきていた。

「・・・なぁ、サクラ。なんか嫌な予感がするんだけどねぇー?」
「残念ながら私もです。師匠、何やらご機嫌ナナメみたいですね。」
「あー。やっぱりそう思う?どうしたもんかなぁー。」
「このまま帰る訳にいかないんじゃないですか?先生は。」
「まぁねー。サクラだって、ここで逃げたと知られたら拙いんじゃないの?」
「・・・逃がさないつもりですか。」
「そりゃ、一人より二人の方が、心強いでしョ。」

そこへ行きたくない。嫌な予感がする。本能的に危険を感じる二人だった。
諦め悪く火影室の前で、自らの気配を隠しながら、中の様子を窺ってみる。

(・・・あれ?)

そこには、怒りに満ちたような綱手と。同じく荒れたものを発するイルカ。
他にもう一人、困惑しているようなナルトのチャクラを、感じることが出来た。

(何でナルトが?あの子が綱手様を怒らせるような事を・・・?)

カカシは、基本的に綱手がナルトに甘いことを知っている。
その綱手を怒らせるような、何をしたというのだろうか。
カカシの中を、不安がよぎる。

もう一つ、ずっと気になっていることもあった。
ナルトは何の後遺症もなく、元の姿に戻っているのだろうか。

会いたかった人物がこの中にいると解った以上、中へ入る以外に選択肢はない。





                            ~ NEXT ~





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2009年10月04日 | 『天使の呪か悪魔の祝』 | こめんと 0件 | とっぷ

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