スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--年--月--日 | スポンサー広告 | とっぷ

『子狐のハツコイ』

SCENE. 4    カカシ × ナルト


   初めての、チュウ。









      





今日の任務はミスすることなく終わったし、
天気は良いし、カカシに言いたかった事も言えた。
これできっと、大丈夫。

久しぶりにすっきりとした開放感を味わう。
もうよく解らない感情に、ぐるぐると追い詰められることもないはず。
ナルトは根拠なく、そう安心していた。


「言い逃げはずるいと思うぞ?」
「っっ!」

急に、背後へ出現した気配に息を呑む。
「忍なんだから、もう少し気配を隠せるようになりなさいね。」
簡単に見つけられたョ?、なんて言うけれど、
何も、真後ろに立ちながら言わなくてもいいと思う。

「カカシ先生、何か用だってば?」
「ん~?ナルトに返事。」
「・・・返事?」


        ***     ***     ***  

不思議そうに小首を傾げるナルトの様子に、
これは解ってないな、と心の中で、カカシは苦笑した。
自分から人へ、「特別に好き」なんて伝えておいて、
それがどういう意味を持つかまで、考えていなかったのだろう。

だからと言って、カカシはこの機会を逃すつもりはなかった。
本能的に好きの「違い」に気がついたのならば、
後は、意識的にも自覚してもらえばいいだけだ。
勘違いになんてさせるつもりは、さらさらなかった。


「俺もナルトが好きなんだ。」
「ありがとだってばよ!」

嬉しそうなナルトの笑顔に目を細め、
カカシはそっと、口布に指をかけた。

        ***     ***     ***


・・・今、何が起こった?
ナルトは目の前に現れた顔に見惚れながら、考える。
何か暖かい感触を、唇に感じた。

そして、気付くと。
見たくてしょうがなかったものが、目の前に出現していた。

「・・・顔・・・」
「ん。出さなきゃ、キスできないからね。」
にっこり微笑む端正な顔に、思わず赤面してしまう。
「・・・カカシ先生、かっこ良すぎ・・・だってば」
正直に言葉にすれば、目の前の男は満足そうに笑った。

「そ? ナルトが気に入ってくれたのなら嬉しいよ。
で、俺にキスされるのは、嫌だったか~?」
答える前に、再び唇に触れるものがある。
今度は、さっきよりも長く。
ちゃんと、されていることが解るように。

「・・・嫌?」
唇に熱い吐息がかかりそうな距離で、囁かれる。
ぶんぶんと大きく、首を横に振って答えた。
心臓がバクバクいって、口を開くことが出来そうになかったから。

「今まで誰かとしたこと、ある?」
「・・・アカデミーの頃、サスケとあるってば。」
「・・・あ、そう。サスケ、ねぇ・・・」


声の低さと一緒に、空気の温度も下がった気がする。
目の前の男の表情も、なんだかちょっとイジワルそう。
見慣れない顔だけど、これはやっぱりカカシ先生で、
「セイロン」とやらを口にする時は、きっと、
覆面の下でこんな表情をしてたんだ、なんて妙に納得してしまう。

怖いから言葉にはしなかったけど。
ナルトは、どこまでも、本能で生きていた。

「じ、事故だったんだってば!」
その後、サクラにこっぴどく責められたことまで思い出し、
ちょっぴり哀しい気持ちになってしまう。

「何を慌ててんだ? 怒ったりしな~いよ。
だけど、これからは、俺としかしちゃダメだぞ?」
カカシがにやりと笑うと、顔を近づけてきた。


「・・・それに。こんなのは初めて、だろ?」
吐息のような囁き声を直接唇に感じたと思ったら、
再び暖かいモノに覆われていた。

「!!!!!」
唇ごと、食べられたかと思った。

離れたかと思えば、上唇を優しく吸われ、
また下唇を吸われ、優しく舌でなぞられる。
何度も繰り返されるそれに、心臓が痛くなってくる。
呼吸が苦しくなってくる。
背筋にぞくりとするモノがあった。


気がつけば、足腰から力が抜け、
カカシの腕に抱えられている状態だった。

くつくつと楽しげに笑う男の声が、ぼんやりと耳に届く。

「ま!これからおいおいと、ね。
・・・好きだよ、ナルト。 これが俺の「特別」ってこと。
ナルトにとって、俺だけが「特別」なんでしョ?」

確認とばかりに聞かれれば、うなずくしかない。
やっぱり、この人は優しくなんてない気がする。
「イガイガ虫」は居なくなったけど、
なにやら別のモノで、心臓が痛くなってくる。

ちょっと早まった気がしなくもなかったけど。
今更きっと、取り消しは効かない。
目の前の男が許してくれないだろう。
そう確信させられる、何かがあった。


それに。
こうやって「特別」にしてもらえるキスは、
自分をひどく嬉しい気持ちにしてくれたから。

この先もずっと、
自分だけがカカシの「特別」であれればいい。


そう思った事は。
まだしばらく、ナルトだけの「ヒミツ」だった。



                       ~END~


     ・・・初めてキスシーンを書きました。色々と挫折(涙)。
     いつか色っぽい話が書きたいという野望はあるけど。
     なんか無理っぽいな~、としみじみ思いました(遠い目)。

  
     子どものペースに合わせられない、
     大人気ないオトナなカカシというのも、ツボだったりします。

スポンサーサイト

2009年06月28日 | 『子狐のハツコイ』 | こめんと 0件 | とっぷ

こめんと

コメントの投稿



管理者にだけ見せる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。